Interview #5

日本と世界とをつなぐ懸け橋に
トップ海外営業の2人が描く未来

まだ海外の出展企業が少なかった時代からRX Japanの海外セールスを牽引してきた宮脇さん、2019年の中国出展社数の過去最大記録に貢献した李さん。
日本と世界をつなぐ2人に、どんな想いで仕事に向き合っているのか、話を聞きました。


◆宮脇  智里さん プロフィール
2000年に新卒入社。国内ES(Exhibitor Success) 担当、海外ES担当を経て2年目の終わりから企画営業担当へ転向。10年間国内外の営業を経験し、産休・育休へ。2013年に本格復帰してからは海外営業をメインで担当。現在は、海外責任者として、海外企業・来場者誘致を統括している。
担当展示会は、FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)、メディカル ジャパンなど


◆李 涛さん プロフィール
2012年に新卒入社。入社以来、おもに中国企業への海外企画営業を担当。現在は中国チーム統括、中国企業に出展してもらうための戦略立案から実行までを行う。2019年には、中国出展社数の過去最大記録に貢献。
担当展示会は、「日本 ものづくり ワールド」など


日本と世界とをつなぐ懸け橋に

―どんな想いで仕事と向き合っているのか、教えてください。

宮脇:私は入社当初からずっと「日本と世界の懸け橋になりたい」と思って仕事をしてきました。

両親の仕事の関係で、幼いときから日本と海外を行き来する生活だった私は、将来は日本と海外とをつなぐ仕事につきたいと考えていました。就職活動中、商社や海外に販路を持つメーカーを中心に、幅広い業界の会社を見ましたが、そのなかでもとくに惹かれたのがRX Japanでした。展示会を通じて日本と海外の産業をつなげられ、ここでなら自分のやりたいことが一番ピュアにできると感じ、入社を決めました。

それから20年以上経った今でも、仕事のモチベーションは変わっていません。ずっと、やりたいことを続けられていたので、多少の困難は乗り越えられました。

そんななかでも出産は自分の人生において大きな出来事でした。休業期間中「仕事に復帰すると、子どもに我慢をさせてしまうかもしれない」「子どもを最優先に考えると、別の選択肢もあるのではないか」と、悩みましたね。

それでも最終的に復帰を選んだのは、子どもが大きくなったときに「ママが日本と世界との懸け橋になっているんだ」と胸を張れると思ったからです。直接言葉で伝えなくても、世界を舞台に飛び回っている姿を見せられれば、両親が私にしてくれたように、きっと自分の子どものグローバルな目線を育てられると考えました。

李:私も日本と世界の懸け橋になりたいという気持ちは同じです。とくに、中国と日本がもっといっしょに成長していける関係性を築く手助けになりたいと思っています。

日本と中国の良好な関係を築くための第一歩は、日本の実情をもっと中国の人たちに知ってもらうことだと考えています。

私がRX Japanで働き出したあと、日中関係が悪くなってしまい、中国でデモが起こったことがありました。出展予定だった中国の社長から電話がかかってきて、
「日本で反中デモがあるって聞きましたが、どんな様子ですか?」「李さんは日本にいて大丈夫なのでしょうか?」と聞かれたこともありました。
日本でデモなんて一切起きていなかったのですが…。

その後、その社長は普通に日本で開催された展示会に出展してくれ、成果を上げて帰っていきました。
中国では今でも日本に関する情報や発信が少ないですが、展示会へ参加する中国企業が増えれば、日本の現状を自分たちの目で見る中国人が増えます。
そんな方々が国に帰って真実を口コミで広げることで、日本のありのままの姿がもっと伝わると思っています。

協力関係を築くのはハードルが高いですが、だからこそやりがいのある仕事だと思っています。


海外営業のみんなで
作り上げた「遠隔出展」プラン

―思い出に残るエピソードがあれば教えてください。

宮脇:コロナの流行で物理的に海外からの渡航者が来られなくなったときは焦りましたね。海外営業にできることは何だろうとチームメンバーと知恵を絞り、「遠隔出展」という新しいプランをつくりました。

簡単に言うと、日本に入国しなくても展示会で出展ができるプランです。展示する製品はあらかじめ送ってもらい、ブースの準備から当日の接客、通訳に至るまですべて私たち事務局が担当しました。出展企業にもオンラインで参加をしてもらい、興味のありそうな来場者には直接説明できるようにもしました。

そのプランを海外の企業に提案しましたが、最初は誰も興味を持ってくれませんでした。現地にいないのに出展をするなんて、誰も見たことも聞いたこともなく、想像ができなかったのです。オンライン説明会、ウェビナー、ライブ配信と、何度も説明する場を設けて少しずつ理解を得られることができました。

李:たいへんでしたよね。2年ほど続けると、中国で貿易に対して補助金が出るようになり、それが後押しとなってようやく遠隔出展を採用する企業が増えました。

宮脇:一度やってみる企業が出てくると、遠隔出展を採用する企業はどんどん増えましたね。ファッションの展示会では中国企業だけで100社以上、全世界で合わせると150社以上の海外企業が出展してくれました。

李:当初、成功するかどうかわかりませんでしたが、あきらめずに説明し続けて良かったです。
初期のころに、遠隔出展をしてくれた企業がきちんと結果を出せていたのも大きかったと思います。
なかには、3日間の展示会で100枚以上の名刺獲得につながったケースもあり、そんなに商談のチャンスにつながるなら、と検討してくれる企業も多かったです。

宮脇:遠隔出展は出展企業にとってビジネスチャンスであることは間違いないですが、日本企業にとっても海外のものが入ってくるきっかけにもなります。

ちょうど日本がマスク不足で困っているときに開催された医療の展示会では、海外のマスクメーカーと日本の販売会社との間で交流が生まれ、
そのおかげもあって日本のマスクの流通が回復したのではと、個人的には思っています。PCR検査キットも同様に感じています。
出展企業も、日本も、みんながハッピーになるお手伝いができたことに、大きなやりがいを感じました。


“世界”を拓くビジネスの舞台を、日本につくる

―今後の展望を教えてください。

宮脇:ようやくコロナが一段落しつつあるので、まずは海外企業の出展数をコロナ前の水準まで戻したいです。さらに、コロナによって変化したニーズを捉え、遠隔出展のような新しいサービスをつくりたいとも考えています。

李:私は今よりもっとたくさんの中国企業に出展してもらって、日本でビジネスを成功させるお手伝いができればと思っています。

今、中国では日本進出がブームですが、成功する企業はまだ少ないのが現状です。そこで私たちが、中国企業を日本市場にフィットさせ、成功する確率を上げるお手伝いができればと思っています。日本の商習慣に製品を調整するために継続して出展をするプランや、中国に特化した展示会ができるといいかもしれません。

出展してもらうことができたら、その次には、日本での成功をどのようにRX Japanとしてサポートできるかが私に求められている挑戦だと思っています。

また、もっと今より大規模で、たくさんのビジネスチャンスが生まれる展示会の開催にも挑戦したいです。

宮脇:私もです。世界には本当に大きな展示会がたくさんあって、実際に現地でいくつも体験してきました。日本でも世界規模の展示会を開催することができれば、今よりもっと「世界」を拓くビジネスの舞台がつくれると思っています。

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