Interview #9

「宇宙」のビジネスを開拓する
10年後、日本が宇宙産業のハブとなる未来を目指して  

本記事では、宇宙展「SPEXA(スペクサ)」を立ち上げた、吉田  桜子さんにインタビュー。
入社以来、Japan IT Weekのマーケティング統括をしていましたが、この新規展では国内企画営業を担当。
どんな想いで、展示会を立ち上げたのかその想いを聞いてみました。

◆吉田 桜子さん プロフィール
2017年に新卒入社。昨年「メタバース活用 EXPO」(2023年初開催)を立ち上げ、現在は立ち上げ2本目となる宇宙展「SPEXA(スペクサ)-Space Business Expo-」の2024年初開催に向けて取り組み中。
担当展示会は、「Japan IT Week」「SPEXA」など


入社時からIT一本。6年目で展示会立ち上げ・営業にも挑戦

――今の仕事内容、入社後の変遷について教えてください。

新卒入社して2023年度で7年目になります。担当展示会が変わったり兼任したりする方もいるなか、私は新卒の頃からIT一筋。入社4年目からJapan IT Weekのマーケティングの統括をしています。入社時は年に3回行っていた展示会なのですが、今は倍の年6回と、2カ月に1度のペースで開催しています。

さらに、昨年からは営業の仕事も始めました。昨年、初めて自分で「メタバース活用 EXPO」という展示会を立ち上げたときに、同期から「せっかく立ち上げたなら、その想いを持って自分で売ったほうがいいよ」と言われたのが、営業を始めたきっかけです。さらに成長するために、新しいことに挑戦するならこのタイミングだと考えました。

もともと営業することに対して苦手意識なのか、恐怖心があったため、挑戦する前にはそれを書き出してみました。そのうえで、初めてのことは怖いですが、「『たくさんの人を幸せにできる仕事につきたい』という想いを持って入社したのだから、出展社とも関わりを持ちたい」と、自分のなかで、なぜ挑戦するべきかの理由を整理できました。今では営業することの楽しさを実感しながら、出展社の方々に展示会の価値をお伝えしています。


日本の技術力を残せる成長産業を探し、「宇宙」に辿り着いた

――吉田さんは「メタバース活用 EXPO」に続き、宇宙展「SPEXA(スペクサ)」も立ち上げられましたね。そのきっかけについて教えてください。

宇宙展を立ち上げたいと思ったきっかけは、学生時代までさかのぼります。私は学生時代にオーストラリア、カナダ、韓国と海外留学を何度か経験していて、現地で「日本人です」と伝える度に、どの国でも日本製のモノや日本文化に対して良い印象を持たれていました。「モノも文化もすべて人がつくるもの。そんな人の想いを国内外に伝え続けていくことで日本や世界に貢献できるのではないか」と思い、日本と世界をつなぐ架け橋になる、という仕事ができるRX Japanへの入社を決めました。

私が学生のころ、海外では「日本のクルマは壊れないから、中古で買っても長く使えるんだ」と言われていました。しかし今は、クルマは“走るスマホ”と言われる時代。電気自動車が台頭し、日本の高い技術力を発揮できる機会は、残念ながら、今後確実に減っていくと考えられます。10年もあれば、世界は180度変わる、そんなスピードで世界は動いていることを日々実感しています。これから日本が勝ち残ることができる成長産業は何だろうと考えていたとき、偶然見ていたYouTubeで「日本が自動車産業で培ったノウハウや技術は宇宙産業に展開できる」という堀江 貴文さんの言葉に触れ、「これだ!」と思いました。

日本には技術があり、サプライチェーンもある。ロケットを打ち上げる方角は太平洋でスペースが開けている。宇宙産業は日本にとって有利な条件がそろっています。思い立ってからは、すぐに行動に移しました。2022年2月から情報収集を開始し、企画書を練りました。企画から開催決定まで約1年かかりましたが、その間には宇宙関連のイベントに参加し、私たちRX Japanだからこそ、できることがたくさんあると気づかされ、充実した時間を過ごしました。


――「SPEXA」のコンセプトについて教えてください。

「宇宙を活用して、ビジネスにしていく」ことを念頭に置いた展示会です。宇宙を活用するビジネスとは何なのか。これに対する明確な答えは宇宙産業に携わる人たちもまだ持っていません。宇宙業界は「シーズ志向」という、技術の種が開発されてからその使い道を考える傾向があり、ビジネス面を考えるのが後回しになりがちだと言われています。宇宙産業をビジネスとして成熟させていくには、顧客のニーズを考慮しなければなりません。ニーズを把握するには、どのビジネスでも同じように顧客との対話が何より重要です。

実は2021年は、宇宙飛行士を職業としている人たちよりも、旅行として宇宙に行く民間宇宙飛行士のほうが多かった「宇宙旅行元年」と呼ばれる年でした。NASAは、今後、民間の宇宙企業が担う領域が今よりも拡大することを見越しており、すでに民間企業よりも高コストかつリスクが高い領域に注力する方針を打ち出しています。つまり、これからの宇宙産業は民間企業が主役になるということです。2040年には宇宙産業の市場規模は120兆円になる、とも言われています。そんな未来の市場で、日本が世界を引っ張る存在になっていてほしいです。今、「SPEXA」を立ち上げる意味は、黎明期にある宇宙ビジネスを、展示会を開催することで盛り上げていくことだ、と私は考えています。


――RX Japanにとって、宇宙展「SPEXA」はどのような意味を持つと思いますか。

「SPEXA」は、開催していることに誇りを持てる存在になると思っています。

今、地球上ではさまざまなビジネスが存在していますが、それらをまとめて「地球ビジネス」という呼び方はしません。宇宙ビジネスも今でこそ「宇宙ビジネス」と呼ばれていますが、いつか人類が宇宙に行くことが当たり前になったときには、今の地球上と同じように、あらゆるビジネスが宇宙という舞台で行われるようになるでしょう。

Japan IT Weekに携わってきて思うのは、教育×IT、ファッション×ITといったように、ITは幅広い業種の中で当たり前に使われるようになっているということ。宇宙もいずれは〇〇×宇宙が当たり前になるでしょう。そこで力を発揮できるのが、日本有数のBtoBデータベースを保有する私たちRX Japanだと思うのです。

宇宙を活用してビジネスを行うためには、さまざまな業界の方たちとの対話が必要だと宇宙産業の方たちはおっしゃっていました。今までさまざまな業界の展示会を成功させてきた私たちだからこそ、この新しい産業へプラスアルファの価値を創出できるはず。ゼロからイチを生み出す一翼を担っているのだと、私自身がとてもワクワクしていますし、ほかの展示会に携わっている社員のみなさんにもそう思ってほしいな、と思っています。

ちなみに、「SPEXA」の「S」「P」「A」はSPACE、「EX」はEXPOが由来です。さらに、「X」は「RX」の「X」と同じ意味を込めています。〇〇×宇宙の「×」でもあります。これまでさまざまな産業に貢献してきた社員みなさんの想いを乗せて、今SPEXAは飛び立とうとしています。


「SPEXA」でビジネスの舞台を創出する

「『SPEXA』を通して、10年後に日本が宇宙産業のハブになっていてほしい」というのが今の想いです。宇宙に関わる会社にとって、「SPEXA」が頼れる存在になっていてほしい、と思っています。

そのために必要なのは、マーケティング思考だと考えています。〇〇×宇宙で新たなビジネスを生み出すには、蓄積してきたBtoBデータベースを活かし、出展社や来場者に還元する必要があります。RX Japanの最大の武器であるデータを活かすためにも、チームメンバー全員がマーケティング思考を磨いていかなければなりません。また、私はマーケティングの統括という立場なので、チームメンバーに納得してもらうためにも、人間力も磨きたいと思っています。10年後、日本や世界のためになる市場を開拓するべく、今後も挑戦を続けていきたいです。

▲吉田さんが入社以来ずっと所属する、Japan IT Weekチームの打ち上げの様子。

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